白雲岳まで連続で4日間頑張ったので一休み。連続で登ってしまおうかとも思ったが、あまり無理をするのも良くないし、昨日は午後から天気が崩れるという予報が出ていた。午前中なら問題ないようだが、実際の天気の変化は予報よりも早いことが多く、リスクを冒して行く理由はない。川上町のアイスパビリオンという施設の駐車場に車を停め、併設されている熊園などを見て過ごした。生きてるヒグマを目の前にして、「こいつが藪から出てきて猛突進してきたら、スプレー噴射するゆとりなどないな」と、背筋が凍りつく。やはり会わないにこしたことはないようだ。

うっかりすると見逃します
通ったらちゃんとゲート閉じてね
誰もいないぞ

 1日置いて今日はニセイカウシュッペ山。登山口に行く林道の入り口も昨日確認しているので大丈夫。砂利道だがそれほど傷んでいないので比較的楽に運転できる道だ。それでも距離は10キロを越えるので奥深く入り込んだ感がある。(注:そこそこ荒れてる道です。幌尻岳の40キロダートでパンクした後なので、感覚がおかしくなってます)

 5時20分、登山口から出発。今日は残念がら車は一台もなく、自分がトップバッターのようだ。「クマがいないといいなあ、蜘蛛の巣顔にかからないといいなあ」と、情けない気持ちになりながらスタートする。今日のコースは反時計回りに渦を巻くように高度を上げて山頂に向かう。なぜこのような地形になったのか興味はあるが、おそらく外輪山と新山の複合系なんだろうと勝手にイメージしている。(凄まじい勘違いの可能性大)

 スタートは森の中の綺麗に整備された道を歩く。ほとんど公園の遊歩道に近い道だ。空もまずまず明るくなってきたし、きっと大丈夫だろう。などと気楽に歩いていたら、足元にいやなものを見つけてしまった。これってあのお方の足跡ではないのでしょうか。ちょっとビビって、しばらくは肩口に装着しているクマスプレーを手に持って歩く。どうか出会いませんように。

最初は林道から
気になる足跡 ずいぶん大きいんですけど
山頂は微妙だな 晴れろよ

 幸いその後クマの痕跡もなく、やがて「山頂まで3キロ」の看板が見えてきた。空はまだどんよりしている。予報ではどんどん良くなることになっているので、山頂で晴れることを祈るしかない。

 それにしても、山の天気というのはどう判断すれば良いのか難しいところがある。天気の良い日は早く登らないと雲が湧いてくることがある。一方で曇りガスガス状態が気温上昇と共にすっかり消え去り青空になることもある。今までも、「ガスの中何も見えない登山を終えて昼頃駐車場から見上げると、青空の中に山がくっきり」という経験もしてきた。これは「早起きして人より頑張ったのに、8時ごろゆっくりスタートした人の方が良い思いをする」という、ぎゃーと叫びたい間の悪さである。今日も何となくそんな予感がしてきた。(そしてこのタイプの予感は、当たる)

スポンサードリンク
何だか霧が濃くなってきたみたい
これ、だめなパターンの日だ
着いた

 少しずつ高度が上がり、大雪の山々も雲の下半分だけ見えてきた。(なんとか晴れて下さい) おそらく一番高度感のある場所(個人の感覚。おそらく普通の人はなぜ怖いのか理解できないであろう場所)も、ガスのため何も感じないで、細い道を辿り、時に岩を乗り越えて登る。やがてなだらかな山頂の縁までくると、ハイマツの道を抜けてゴール。時刻は7寺40分。

 さて、ここからどうするかだ。何も見えないし完全に雲の中に入っているので霧雨に近いし、ここで長時間待たされるのはいやだなと、30分ほどで下山開始。力のある方はここから軍艦山までいくようだが、最初からその選択肢はないので普通に元の道を降りる。そこそこ人気の山だとは聞いていたが、すれ違ったのはほんの数人だった。

下り
下り
雲の下に出た
あれまー! 晴れてきちゃったよ

 9寺30分、既に半分以上降りてきたあたりで山頂の雲が切れた。さっきすれ違ったみなさんは山頂からの絶景を堪能するのだろうな。今なら軍艦山のアンギラスの背中もしっかり見えるのかな。おそらく自分が登った時間帯は、朝の一番霧が濃い時だったのだな。一瞬、もう一度登ろうかとも思ったが、山頂に着いた時には再び雲の中で、という世を儚んでしまいそうな光景が頭をよぎって止めた。これは縁がなかったということで、帰りましょう。(このあたりの潔さが事故防止につながると信じてる)

 10時20分、駐車場到着。空はだいぶ明るくなり、駐車場から山頂が見える(けど気にしない) 再び10キロを越える砂利道をパンクに気をつけながら走らせ、次の山に向かおう。

スポンサードリンク